5982人が本棚に入れています
本棚に追加
/2999ページ
「それはそうと」
彼の声のトーンが一気に下がった。どうしたの?首を軽く後ろに捻ると、むっつりした表情を浮かべ、唇をぎゅっと一文字に結ぶ彼と目が合った。
「どこを触られた?」
はじめに唇を指先でツンツンと押された。
「もう一度聞く。颯人と、兄にどこを触られたんだ?まず、ここは?正直に言え。隠しても無駄だぞ。未知は思ったことがすぐに顔に出るタイプだからな」
遥琉さんの声、すっごく低くて恐い。もしかすると、焼きもち妬いてる?
「未知‼」一段と強い口調で呼ばれて。観念し、正直に小さく頷いた。
「そっか」
ギシッとベットが軋んで、彼が上体を起こした。真上から見下ろされる格好になった。
頤を掬い上げられた瞬間、唇に彼の唇が押しあてられた。
【んっ・・・!】
荒っぽいキスにびくりと肩が跳ねる。
【はる、さ・・・んっ‼】
怒りを露にして、ぶつけてくるような一方的な口付けに、目が涙で霞む。
怒られる覚悟はしていたつもりなのに。心が締め付けられるくらい切なくて、苦しいのはどうしてだろう?
最初のコメントを投稿しよう!