たいせつな家族と歩む未来

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彼が心配で何も手に付かなかった。心さんに遊んでもらい部屋の中できゃぁーきゃー騒ぐ遥香をチラッと見ては、携帯の画面にすぐに目を落とし、メールの着信履歴を見ては溜息ばかりついていた。 「未知さん、大丈夫ですか⁉」 そんな僕を気遣ってか橘さんが何度か声を掛けてくれた。 「ねぇ橘。千里さんの話しでもしてあげたら⁉」 「もう一組のバカっプルの話しをしてどうするんですか⁉」 「だってさぁ・・・ねぇ、未知だって知りたいでしょう⁉」 いきなり話しを振られ、へっ⁉変な声が思わず出てしまった。 「襲名式終わった頃だし、千里さんの話しをしているうちに、うちの裕貴と遥琉たち帰ってくると思うよ。じゃあ、ハルちゃん呼んでるから行くね」 お外に行きたいと言い出した遥香に、パパとじいじがいいよって言うまではお外に出れないんだ。縁側でシャボン玉遊びでもしようか⁉ 心さんは娘と同じ目の高さになるように腰を屈めた。 はじめこそ渋って嫌々を繰り返していた遥香も最後には心さんの提案を受け入れた。 「人は変われば変わるものですね。あれだけあなたにツンツンしていた心さんが・・・」 微笑ましいくらい仲のいい二人を、目を細めて眺めていた橘さん。ぽつりと本音を漏らした。
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