1人が本棚に入れています
本棚に追加
青空が広がる。細い煙が立ち上る。
この光景も、後悔はしていない。
わたしが『葬式代』となって、あなたが晴れた空へと向かったこの日のことを。
これが最後。
これが、あなたへの最後のわたしの使い道。
彼の誕生祝い『30011円』という存在が、ようやく終わる時が来た。
一万円札の時もあった。一円玉でしかない時もあった。
でも、どんな姿でも、わたしがあなたの所にいられたことは、とても幸せなことだった。
あなたがいないこの想いは、きっとすぐに消えてしまうけれども。
ああ、満足よ。幸福だったわ、ありがとうありがとう。
最初のコメントを投稿しよう!