巡るたび

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 目を開けた時。  わたしは、まだ『30011円』だった。  彼の家族が傍にいて。  わたしは、彼の『生命保険金』となっていたのだ。  強く生きよう、彼の家族がそう言ったから。  やはり運命。  これからは、わたしが、あなたの大切にしていた存在を守ります。  最後に残ったあなたの思い出。  泣けないのに。涙が出るほど縁が切れなかったあなた。  愛しているわ、愛していたわ。ありがとう。
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