感じた運命

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僕ですか? 車です。 車が人生みたいなもんなんですよ。バカみたいでしょ? 昨日、私のバイト先に入ってきた、一つ下の男の子。 今日シフトが一緒になって、少し仲良くなろうと私から声をかけた。 話すことがなくなり、趣味は?と尋ねて、少し鳥肌が立った。 「そうなの?私も車好きなんだよね」 「え、そうなんですか?何か乗ってたり?」 「うん…。ローバーの、ミニっていう…」 「え…?俺もミニ乗ってるんですよ!すっげぇ偶然!」 「うそ、本当!?」 「はい。運良く、知り合いから買ったんですよ」 「そうだったんだ。でもすごい偶然だね。今日はそれで来てるの?」 「はい。あぁ、じゃあ、外に停まってたミニ、先輩の?隣停めちゃいましたよ俺」 「たぶん、そうだと思う。今日は何時上りだっけ?」 「9時です。先輩は?」 「私8時半だけど、待ってるよ。夕飯でも食べよう?」 私は、一つ年下の、同じ車に乗る彼に運命を感じた。 少し経ち、お互いにタメ口で話すようになると、日に日に仲良くなっているのを感じていた。 ある日、彼からちょっといつもとは違う話をされた。 いわゆる、恋話という奴だ。 どうやら、ずっと同じ高校で同じ部活だった子が好きだったそうな。 告白してフラれちゃったけど、いつまでも忘れられないんだって──── 何故だろう、私はすごく虚しくなり、敗北感に潰されそうになった。 そして次には答えていた。 「もし私で…あなたのぽっかり空いた穴を埋められるのなら、付き合わない?」
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