3劇 最怪

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3劇 最怪

麗美は海中を漂っていた 。その中で今までの記憶を思い返して後悔していた。 『私がもっと早く気付いていれば.......』 その瞬間 光が差し込んだ。気がつくと見知らぬ家屋で寝ていた。 「ここは.......」 「濃よ 少し出かけるぞ」 扉を開ける誰かに気づいた。話そうとしたが言葉が出なかった。 「来なさい」 誰かに手を捕まれ無理矢理外に出る。抵抗出来ない 自分の体が自分のものではないように。 「や、」 「?!」 「やだ!」 その瞬間手を払いどこかへ走る麗美。外に出ると見たことのない街並みが広がっていた 教科書や太田に連れられ一緒に行った博物館で見た光景が広がっていた。 『どこなのここ... 早く帰らないと!』 「すみません!」 「なんだいお嬢ちゃん」 「学校はどっちですか!」 「学校? なんだいそりゃ。 あ、カッパ って言ってんのかい? あぁ!どこ行くんだい! そっちは」 『なんでわかんないの!』 通じるはずもない戦国時代にそのようなものはないのだから。麗美の頭は混乱していた その時何かにつまずいてコケてしまった「きゃっ」前かがみに転び膝をすりむいてしまう。 「あ、あぁ」 「ウーガウガウガウ!」 大きめの野良犬だった 噛まれると思った瞬間 何か 誰かが間に入り犬を捕まえてしまった。 「おーいたいた! お前なぁ こんな所に来て人様に迷惑かけてんじゃないぞ!お前 大丈夫か?」 「あ、あ」 逆光に反射して顔は見えなかったが なにか懐かしい物を感じた。 『お前なぁ そんなどんくさいと 馬鹿にされんぞ麗美』 「どうした? なんかワシの顔変か」 「ありがとう」 「お、おぉ.......気にするな じゃーな」 「あ!待って!」 「なんだ?」 「名前 ....」 「あ、わしの名前か? おおた.......じゃねぇや.......尾張の大うつけ! それで覚えといてくれ じゃーな 」 『今の 進 ちゃん?いや、そんなこと。』 「濃! 大丈夫か! なにかされたか!」 「え、あ、大丈夫.......です。」 「そうか良かった、」 「あの貴方は?」 「なに?! 父の顔を忘れたと申すか!」 『父? これって もしかして』 冷静に状況を判断した麗美は 「あ、ごめんなさい父上 少し頭が痛くて。今日はもう 寝ます。」
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