サオリの旅

父島上陸

　8時を過ぎた、いつもなら今ごろ家につく。
「神津恭介?俳優?」
「探偵ですよ」
「リアル?」
「まさか、フィクションですよ」
「氷室さん、ちょっとしつこいです」
「こりゃあ、すみません」
　船室の備え付けテレビで『タイタニック』が上映された。『ジャーック!ジャーック!』船が真っ二つになり海底へ呑み込まれていく。　
　縁起でもない。
　ラウンジで氷室と見知らぬ美女がキスをしていた。こんなところで(>_<)恥知らず!
　シャワーをすることにした。胸が小さいのが悩み(-_-;)、シャンプーがいい薫り、モダンなグリーンのボトル。シャワールームから出て、レストランに入った。カフェテリア方式、ラーメンを食べた。
　塩がキイテルー!!そのあと、スナックに入った。
　ジンフィズを飲んだ。おつまみはナッツ。
　ナッツリターンなんてことがあったよね?
　深夜0時、八丈島を通過。
　ナカナカ眠れず、耳栓をしてなんとか夢の世界に。氷室が難破船の上で海賊とナイフバトルしてる。
　起きると小笠原諸島最初の島々、ケータ列島が見えてきた。朝はパンにサラダ、スクランブルエッグ、オレンジジュース。キッズルームが子供たちが遊んでる。シングルマザーのマイさんと仲良くなった。5歳のユウマ君は元気イッパイだ!
　8時半、父島上陸。二見港に降り立つ。
　氷室は宿に予約していたらしくハイエースが迎えに来た。恋人と乗り込む。ホテルでエッチなことするのかな?マイさんはレンタバイクにユウマ君を伸せ、颯爽と消えた。
「カッコイイー」
　レンタサイクルで移動することにした。
　水中マスク、シュノーケル、フィン……この日のために揃えた。インストラクターの樹さんが指導してくれることに!風間トオルに似てる。
「産後に注意してください」
「独身です」
「サンゴです!若いのに親父ギャグ?テレビの取材でラッキー板長さんが来たんですよ」
「旅チャーハン?」
「そうそう、土曜にやってるヤツ。サンゴには毒があるのもいるんです」
「マタニティーブルー」
「座布団100枚」
「無理だろ」
　テトラポットからザブン!プクプクプク。。。。。エダサンゴの楽園。。。。。熱帯魚。。。。エイ。。。(>_<)怖い!。。。サンゴを折らないようにして赤灯台にやって来た。青灯台には階段みたいな施設がある。魚やサンゴは少ない。
「夏場は南島に行けるんですが、今は禁止です」