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テレビは多チャンネルで好きなときに好きなコンテンツを見ることができるが、そろそろそれにも飽きてきた。特に新しい情報もいらないので活字媒体の新聞も見ない。そもそもコミュニティーなどないのだから。
いつの頃だろうか、私達老人は、何もかもコンピュータ、これもどかで昔流行ったAIで生活しているのだろう。どこでかは知らないが・・・・・・
私は家族という者を知らない。親というものも。
別に特別な理由が会ったからでは無い。管理されたどこかのラボで、選別されているらしい。私の生がなにかによって、人間という種も管理自動化されているせいか「性」というもの。「性欲」というものをなにかの本でよんだが、それすらもなくこの歳まで過ぎてきた。
AIにはしょせん心というものがないと論議がされたが、結局人に与えられたのはその「心」だけだった。
難しいことはよくわからないが。
どこかで猫の鳴き声がする。ここに来て初めてのことだ。どうも外で鳴いているようだ。ベランダにもいない。
廊下から聞こえるようだ。初めて入り口のドアを開けた。黒い影がさっと目の前をかすめた。廊下は磨き上げられた木材で瀟洒で、天窓から漏れる外光を浴びている。
果てしなく続く廊下はドアが果てしなくあり、ぴったりと閉められたドアの中に誰が住んでいるのか確かめようがない。
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