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「竜也、挿れるぞ」
「あぁっ、挿れてください。九竜さんの欲しい」
「あんまり煽るな。加減が出来なくなる」
これでは挿れただけでイキかねない。こんなにいやらしいなんて想定外だ。けれど早く熱を突き入れたい気持ちのほうが強かった。反り立つ熱を熟れたばかりの窄まりに押しつける。
「あ……ぁっ、んっ」
「苦しいだろう」
「だ、いじょうぶ、です」
欲の塊を受け入れたことのない小さな窄まりは、ぎちぎちと押し広げられながら熱を銜え込んでいく。そのたびに苦しげな声が聞こえるが、引き抜こうとするとやめないでと懇願される。
「あっ、九竜さん、奥、奥まで来て」
何度も入り口で抜き挿しを繰り返して馴染ませると、少しずつ奥へと熱を押し込んだ。すると次第に身体が慣れ始めてきたのか竜也の腰がまた動きに合わせて揺れ出す。
「んっ、ぁっ、どうしよう、気持ちいい」
「痛いとかよくないよりいいだろう」
「だって、初めて、なのに」
「素直な身体ってことだろ。可愛いよ」
腰を引き寄せて中を舐るように突き上げれば、耳に心地いいくらいの喘ぎ声が響く。甘ったるくて、行為をねだるみたいに縋りついてくるそれがたまらなく欲を誘う。気づけば何度も腰を小さな尻に打ち付けていた。
「九竜、さんっ、駄目っ、もう」
「……くっ」
中がうねるように痙攣して、それに一気に持っていかれる。中に出すわけにはいかないと慌てて引き抜くが、すぐに背中にぶちまけてしまう。それと同時に竜也の身体がベッドに沈んだ。
「大丈夫か?」
「平気、です」
「少し無理させたな」
枕元にあったティッシュで吐き出したものを綺麗に拭い、そっと顔をのぞき込む。汗ばんだ前髪を掬うと、枕に埋められていた顔がこちらを振り返った。その顔はどこか満足げで、視線が合うとやんわりと微笑んだ。その表情があまりにも可愛くて、惹き寄せられるように口づける。
「やっぱり」
「ん? やっぱりなんだ?」
「んふふ、やっぱり九竜さんだからいいんだと思います。ほかの人とって考えると、想像できない」
先ほどまでの艶やかさとは違うあどけない笑みで、人の心を鷲掴みするようなことを言う。
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