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「ヒーラーの魔力の訓練は魔法医のエルリーから聞いてきた。エルリーは仕事があるから訓練には付き合えないし私が教えるよ」
ナスカは男のような口調だが、面倒見のいい性格らしい。
「まずは指先に魔力を集中してみるんだ。自分の体内にある魔力を放出するんだけどイメージできるか?」
指先に集中してみる。
魔力の放出どころか魔力の事がイマイチわからない。
「魔力はそうだな…… 今はユーヒの体の表面を包んでいるから、それを感覚で掴めればわかると思うんだけど」
それならわかるかも。
なんか体が軽い気もするし強化されてるって言われればそうなのかもしれない。
目を閉じて体の表面に流れる魔力を感じとるよう意識する。
少し光ってて…… ふわっとしてて…… 暖かい…… 指先に集中させるイメージ。
指先に熱をもつ感覚がある。
目を開くと指先にキラキラとした光が舞っていた。
指先を左右に動かすと、光の粒子が指を追ってくる。
「これが魔力か? 思った以上に綺麗だな」
「あー、やっぱりヒーラーの魔力だな。私達のとは違うし」
言って魔力を掌から出すナスカ。
光の球が浮いている。
「確かに見た目は違うけどどう違うんだ?」
「エルリーの話だとヒーラーの魔力は火や風なんかを発生させられないらしい」
ナスカは魔力球から魔法を発動し、火球にして見せる。
「その魔法は儀式とか呪文とか発動条件はあるのか?」
「いや、魔法は基本的にはイメージだ。魔力にイメージをしっかりと乗せると魔法になる」
「なるほど」
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