ヒーラーの魔力

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 魔力の集まっている指先に火をイメージする。  何も変化は起こらずキラキラと光の粒子が舞っている。 「うーん。火は出ないか」 「ヒーラーの魔力じゃ仕方ないな。まぁイメージが魔力に上手く乗らないと魔法は発動しないんだけどね」  とりあえず魔力の訓練法もわかったし今後毎日やっていこうと思う。  しばらく魔力の放出を安定させた状態で保ち、ある程度は魔力を放出できるようになった。  昼食を摂って午後からはナスカから字を学び、夕方には二人共机に突っ伏して寝ていた。  教える側も教わる側もダメダメである。  迎えに来たカインとエレナが呆れ顔で起こしてくれた。 「あ、やべ。寝てる場合じゃなかった」 「もう十八時よ。今からじゃ何もできないだろうから、今夜も宿代出してあげるわ」 「いやいや、さすがに悪いしいいよ」 「私にも責任があるからな、今夜も宿に泊まっていけ」  そんなわけで異世界に来て二日目も宿代を奢ってもらった。
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