ヒーラーの魔力

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 さらに翌朝。 「助けてもらったうえいろいろとありがとう。生活が安定したらこのお礼をさせてもらうよ」 「期待しないで待つわ。せっかく助けた命なんだから無理しちゃダメよ?」 「僕達も君の話を聞けて楽しかったよ」 「しっかり訓練するんだぞ」  お礼を告げてナスカ達と別れた。  街の外はモンスターが出るので危険だろうと、街の中央広場で魔力の訓練。  別に魔法を放つ訳でもないので問題はないと思っていたのだが、自衛騎士団の男に注意されてしまった。  他人に危害を加える意思がなくとも、街の中では魔法の使用や魔力の放出などは極力控えなければいけないらしい。  安全に訓練できる場所を聞いてみると、昨日行った東門付近はモンスターも出る事はなく安全らしい。  東門を出て魔力の訓練を始める。  実は昨夜暇だったしなかなか寝付けなかった為、宿の部屋で魔力の訓練をしていた。  すでに右手の五本の指だけでなく、掌から魔力を放出できるようになっている。  左手は今後訓練していこう。  今日はとりあえず魔法を少し調べてみようと思う。  掌に集まった魔力を燃やすイメージ。  火を発生させようと意識を集中するが、魔力に火が灯る事はなかった。  それならばと、光の粒子を火薬に例えて燃やすようにイメージする。  するとボンッ! と掌で爆発が起こった。 「び、びっくりしたぁ!」  突然の爆発に驚いた。  なんとなく魔力が粉末みたいだったから火薬をイメージして着火しただけだ。  もしかしたらこの爆発があれば戦闘用魔法として使えるのではないかと考える。  魔力を掌に集めて近くにあった枯れて朽ちた木を爆発させてみる。  バラバラに吹き飛んだ木。手には小さな反動があるのみ。 「よーっし! 俄然やる気出てきた!」  魔力を放出するスピードをあげる訓練を始め、昼になる頃には三秒もあれば充分な爆発をできる魔力を放出できるようになった。
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