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この街の名前はデンゼルというらしい。
東門で訓練しているので森林地帯も知っている。
東門から出て十分程度歩けば着くだろうという距離だ。
そろそろ腹が減ってきたがお金がない。
そして今夜泊まる宿もない。
早くクエストクリアして報酬をもらわないとな!
意気込んで早足で森林地帯へ向かう。
役所から三十分ほど歩いて森林地帯に着いた。
さっそくうごめく木が見える。
エントだ。
のそのそとこちらに近付いて来るが、こちらから近付いた方が早そうだ。
3メートルは超えるであろう巨大なモンスターだが、動きが遅い事もあって恐怖はそれほどない。
ゆらりと向けられた触手がこちらに伸びてくる。
エントに向かって駆け出して触手を躱し、掌から魔力を放出して接近する。
エントの腹部目掛けて右腕を伸ばしたところで、触手に脚を掴まれてしまった。
やべーな。逆さまに吊し上げられてしまった。
とりあえず体を引き上げて触手を爆破させて地面に落下。
痛みはあるが耐えられなくはない。
再び右手から魔力を放出して、怯んだエントの腹部を爆破する。
ギィィ! という悲鳴と共に仰向けに倒れるエント。よーし、なんとか倒せた。
サーシャから聞いていたようにエントに触れて強化と同じように魔力を流す。
エントの姿が淡くなり、音もなく縮んで魔石になった。
直径2センチ程の魔石を拾って制服のポケットに入れる。
体が痛いし回復魔法を試してみる。
掌に魔力を集めて左脇腹に手を添える。
元の状態をイメージしただけで痛みが消え、回復されたようだ。
自分の体であれば無傷の状態をイメージすれば回復できるのかもしれないな。
少し先に進むとエントが二体見える。
魔力を放出して駆け出し、エントがこちらに気付いた時には一体の背後に爆破を食らわせた。
再び魔力を放出してもう一体に向かい合い、オレの腕に目掛けて伸びてくる触手を爆破。
怯んだところをとどめを刺す。
魔石に還してさらに奥へと進む。
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