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「まずは防具です! ユーヒさんはモンスターを充分倒せる強さがありますので、守りをしっかり固めてもらえればランクを上げても良いと思います」
拳をギュッと握り締めて言うサーシャ。
「まぁ防具は動き易いのならなんでも良いや。武器はナックル買うつもりだからモンクになるな」
「モンクですか…… あれは筋肉の塊みたいな人がやるものですよ。ユーヒさんなんて…… あれ?」
ペチペチとオレの体を確認するサーシャ。
「一応毎日鍛えてるよ」
「すっごい鍛えてあるじゃないですか! あんなヒョロヒョロと棒みたいだったのに!」
酷い言われようだ。
確かに最初この世界に来た頃は細マッチョどころかただの痩せた体つきだったのだが、今はちょっとした格闘家みたいな体型をしている。
身長は175センチで体重が55キロしかなかったが、今は60キロ以上はあるんじゃないだろうか。
サーシャが選んでくれるクエストも昼過ぎには終わるし、一日五時間の筋トレを休憩無しでやっていた。
限界まで負荷をかけて、ひたすら筋肉と体力の回復を繰り返す。
毎日筋トレ中に腹が減るのは全て筋肉になっているのかもしれない。
ナッシュに用意してもらった大量の干し肉を食べながら筋トレをしている。
「まだ数日しか経ってないのにこんなに人は変わるもんですかね」
「実際変わったから変わるんじゃないか?」
とりあえずクエストを受注する事にした。
サーシャが選んだのはリザードマン討伐クエストだ。
クエスト内容::リザードマン討伐
場所:デンゼル南部街道
報酬:一体につき10,000リラ
注意事項:
報告手段:魔石を回収
難易度:3
「この辺はコボルトなども居ますから注意して下さい」
「ん? 犬か?」
「ワーウルフが武器を持ったようなモンスターです。強いモンスターですので囲まれたら危ないですよ!」
「今日は防具も買うし平気だろ」
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