ランクアップ審査

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 戦闘開始からおよそ十五分ってとこか。  全てのオークを倒し終え、死体の山の上に立つ。  血に塗れて全身がどす黒い。  気持ち悪いし早く魔石に還そうと死体の山を降りる。  全ての魔石を集めるまでに二十分かかった。  倒すよりも魔石集めに時間がかかるのはどうかと思う。  魔石に還すと体に浴びた血も全て落ちる。  なんとなく防具の臭いを嗅ぎながらナスカ達の元に戻る。 「悪いな。待たせた」 「早過ぎるわよ……」  顔を引攣らせたエレナ。 「ユーヒは疲れないの?」  苦笑いで問うカイン。 「体力も回復してるからな。あまり疲れは感じないな。で? 審査は問題ないだろ?」 「ええ。問題ないわ。それどころかブルーランクより上げても良いくらいよ」 「それは武器を買ってからだ。それまでは私は認めないぞ」  指差して言うナスカ。  うーん。と頭を押さえるカインとエレナ。 「なぁ、洗浄魔法かけれないか? 血は落ちてるけどなんか気持ち的に嫌だから綺麗にしてほしい」  ナスカが水筒から水を出して魔法を発動し、防具を洗浄してくれた。  サラサラに乾いたのでお礼を言う。 「ユーヒは随分と体を鍛えたんだな。一週間前はあんなに細かったのに」 「回復魔法あるからな。体が限界になったら回復すれば筋肉もつくのが早い」 「そういうものなのか。レベルはいくつだ? かなり魔力量があるみたいだが」 「今朝レベル8に上がって魔力量が10万ガルドだったな」 「「「10万?」」」  三人とも驚いているが。 「それは多いのか?」  冒険者の平均が15,000ガルドほどらしいが、強い冒険者はどれほどか知らない。 「私はレベル9で54,000だ」 「私は50,000よ」 「僕がレベル8で42,000ガルドだよ」  魔力量二倍もあるんだ…… 「迷い人は魔力量が多いって本当なのね……」 「さすがに今までそんな数値は聞いた事ないがな……」 「さて、そろそろ帰ろうか。報酬も楽しみだし!」  顔を引攣らせるナスカ達をよそに魔石を見つめる。  すげー稼げそうで嬉しい!
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