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箱を持って戻って来たナッシュ。
「ライオスに特注したナックルだ。オレが気に入ってる職人でな。ライオスの装備は装飾もいいんだ」
綺麗に加工された木箱を受け取る。
箱に焼印でライオスとある。
オレも少しは字が読めるようにはなっている。
箱を開けてみると黒い武器が姿を現わす。
装飾が施された金と黒の…… ナックル?
派手さはないが、どんな装備にも合わせてられそうだ。が、ナックルにしては少し小さいんじゃないか?
ナックルというよりガントレットのように見えるが。
「ユーヒの要望をそのまま形にしたらガントレットになったそうだ。だがガントレットを攻撃に使えるように作ってあるらしい。あとその下にレガースが入っている。両手足で戦うと言ったら作ってくれたんだ」
確かにオレの要望からするとこれであってるのかもしれない。あまりゴツくないようにとも言ったしな。
ガントレットは拳から肘まで覆うが、各部関節も曲がるように作られている。
指の部分もしっかりと折り曲げられるようにミスリルが重なっている。
レガースは膝から脚の甲までを覆い、動きやすいよう可動部は重なるようにミスリルを組まれている。
見た目はかなり良い。
オレ好みに仕上がっているし、作りもかなりしっかりしている。
「ありがとうナッシュ。レガースも着いてきたけどこれ値段はいくらになるんだ?」
ナックル分として3千万リラしか用意してないが……
「それで3千万リラだ。うちの儲け分を差し引いて注文してあるからな。予定とは違うかもしれんがそれでどうだ?」
ナックルがガントレットになってしまったが攻撃に使えるように加工してあるらしい。
それならナックルと呼んでも良いのかもしれない。
「これで良いよ。オレの要望を形にすると、確かにこうなるだろうからな。このまま装備して帰るから箱は処分してくれ」
3千万リラを支払って装備する。
思った以上にしっくりくる。
魔力の放出も素手よりも早いし動きを阻害することもない。
店を出て、また役所へ向かう。
サーシャに武器を見せに行く為だ。
ランクの事もあるので武器を買ったら見せに来いと言われていた。
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