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「サーシャ! ほら、買ってきた!」
役所に着くなり武器を見せつける。
ふふん、と自慢気に見せたのだが……
「ユーヒさん…… 武器を買いに行って防具を装備して帰ってくるとか何のつもりですか!?」
サーシャは頭を押さえている。
「んん、これがオレの武器だ!」
「ま、まぁユーヒさんならそれで問題ないんでしょうけどね…… ナスカさんも来てますしとりあえず所長に報告して来ますね」
少し待つと所長室に通された。
ファジーだけでなくナスカ達も何故かオレを見て苦笑い。
「あれ? オレの格好なんか変か?」
「武器持ってないじゃない」
やはり防具にしか見えないようだ。
一応ライオスの武器であると説明し、ナスカが装備を確認する。
ライオスというのは武器の職人として有名らしく、防具は作らず武器専門の職人という事で納得したようだ。
「さて、ユーヒ君が武器を手に入れたという事でランクアップをしたいんだが…… ナスカ君はどのランクが良いと思う?」
オレのランクアップを武器を手に入れるまで禁止していたのはナスカ。
前回カインとエレナはブルーランク以上でも良いと言っていたが。
ファジーはナスカの意見を聞きたいようだ。
「ユーヒはシルバーランクでも通用すると思う。だけどソロじゃシルバーランクとして認めたくないというのが本音だ」
シルバーランク。
難易度9までのクエストを受注が可能。
ソロでは認めたくないという事はかなり危険だと判断しての意見だろう。
まぁブルーでも別に困らないのだが…… なんかナスカがモジモジしてるな。
「ナスカ。言いたい事があるなら言わなきゃダメよ?」
「そうだよ。リーダーなんだから君が言うべきだよ?」
何か言わなきゃならんらしい。
「そう…… だな。ユーヒ、良ければ私達のパーティーに入る気はないか?」
ナスカはなんで申し訳なさそうに言うんだろう?
「えーと……」
「いや! 待て! 答える前に私達の話を聞いてほしい!」
ナスカが焦ったようにオレの言葉を遮る。
ナスカの話はパーティーの話しだった。
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