武器と仲間

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「だから私はユーヒがヒーラーだと知った時、戦う術のないユーヒをパーティーに誘えなかった。だが今目の前にいるユーヒは私達よりも強いだろう…… それでもソロの高ランク冒険者は危険過ぎる! ソロではシルバーランクと認めたくないんだ」  拳を握り締めたナスカ。 「オレがパーティーに入ったら?」 「シルバーランクを認めるし、命掛けでユーヒを守る!」 「入らないと言ったら?」 「シルバーランクは認めない!」 「随分と勝手だな…… まぁ別にランクとかどうでもいいんだけどな」  あれ? なんかナスカが泣きそうに見える。 「ねぇ、ユーヒ。パーティーに入ってよ。ナスカがユーヒを気にし過ぎて私達がクエストに行けないのよ」 「ちょっ! エレナ!?」 「そうなんだよ。僕達を助けると思ってパーティーに入ってよ。ナスカがユーヒのクエストを追いかけたりするから僕達はなかなかクエストを受けれないんだよ」 「うわぁぁぁぁあ!! 言うな!!」 「…… え? ナスカってストーカー?」  ストーカーの意味は通じなかったが。  エレナがナスカを押さえつけてカインが説明してくれた。  オレが冒険者登録をした時はエントのクエストをサーシャに頼んであった。  エントなら逃げれると判断しての事らしい。  次にゴブリンクエスト。  ナスカがクエストを発注し、オレがピンチの際には他の冒険者が助けてくれるようにしてあったそうだ。  サーシャを通して情報を集め、字が読めないのをいい事に無理なクエストは受けさせないようにも指示していたそうだ。  少し難易度が高めだと必ずナスカは追いかけたらしい。  困った奴だ。  リーダーのくせにパーティーに迷惑をかけるとは。  心配性なのは以前かららしいが、カインが言うには今回は異常らしい。  もしかしたら異世界から来たオレが怪我をしてたからとはいえ、ヒーラーになってしまった事に責任を感じてるのかもしれない。  
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