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「よし、わかった。カイン説明ありがとう。エレナも離していいぞ」
エレナは椅子に座り直し、ナスカは全て知られてしまったせいか涙目だ。
「パーティーの件だが、オレが加入するのに条件がある。それを認めてくれるならパーティーに入るよ」
「うんうん。その条件とは?」
「条件次第ね……」
ゴクリと唾を飲んでオレの言葉を待つ三人。
「ナスカをリーダーから外す事」
「なんで!?」
「暴走するから。ん? いや、変態だから?」
「変態じゃない!」
「人をつけ回すのはオレのいた世界では犯罪だ。ストーカーと呼ばれる変態だぞ」
「え…… そ、そんな……」
ポロポロと涙を流すナスカ。
「嘘!? ナスカが泣くとか…… ちょっとナスカ? どうしたの? お腹減ったの?」
ナスカは腹減ると泣くのかな?
「まぁ心配し過ぎた結果だよ。悪く思わないでよユーヒ。ナスカとしては初めて子供をお使いに出す親の気分だったんだよ」
適当な事を言うカイン。
まぁわからなくもないんだけれども。
「ナスカ。悪いな、半分冗談だ。ほら泣くなよ」
持っていたハンカチを渡してやる。
涙は止まったがなんか睨んでるな。
どうしたんだろう?
「で? どうするんだ? パーティーに迷惑をかけたナスカはリーダーを外す! これが条件なんだが?」
「わかった。私はリーダーを降りる…… だから……」
「よし、決まりだな。オレをパーティーに入れてくれ!」
ナスカがリーダーを降りると言ったのでパーティー加入を決める。
「…… 今からユーヒがリーダーだ」
何故かナスカがリーダーをオレに振った。
「は? なんで!? カインかエレナだろ! オレはパーティーに入っただけだからリーダーなんてやらねーぞ!」
「ユーヒリーダーよろしくお願いします」
「ユーヒリーダーよろしくね!」
丁重にお断りしたのだが、カインもエレナも認めない。
ナスカをリーダーから外したのだから勇飛がやりなさいと言われてしまった。
「わーったよ。オレがリーダーやるよ。カイン! エレナ! よろしくな! ナスカもよろしく! それと…… 心配してくれてありがとう」
ついにオレにも仲間ができた。
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