異世界へ

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 少し待つと冒険者と思われる三人が部屋に入ってくる。 「ねぇ! 君は別の世界の人間ってほんとか?」  歳の頃はオレと同じくらいか。  彼女も日本人ではない顔つき。  赤茶色のショートヘア。目は澄んだ空のような青。  色白で、聞けば多くの人が美人と答えるであろう綺麗な容姿の女性だ。  身長は165センチほどはありそうだ。  弱々しい感じはなく、細身だがしっかりと引き締まった体つきをしている。  腰に短剣を二本下げ、胸当てや手甲など軽装備ながら冒険者然としている。 「ま、まずは助けてくれてありがとうございます。鈴谷勇飛です。あ、勇飛が名前です。どうやらこの世界の住人ではないようです」  顔を引攣らせながら答える。 「ふーん。ユーヒね。私はナスカ。その堅苦しい話し方じゃなくていいよ」 「わかった。オレここの事が何もわからないんだ。いろいろと教えてもらいたいんだけどいいかな?」  医務室で話し込むわけにもいかず、エルリーにお礼を言って場所を移動する。  ナスカ達に連れられて向かったのは近くにあった酒場。  四つ飲み物を注文してオレにも一つのコップが手渡される。 「ナスカ。私達も紹介させてよ!」 「え、なんで私の許可が必要なんだ?」 「じゃあ僕からするね。僕はカイン。冒険者で武器は弓矢を使っているよ。よろしくねユーヒ」  カインという男性。  こちらもナスカと年齢は同じくらいに見える。  アッシュブラウンのような髪色を少し目にかかる程度に伸ばし、グレーの目はおっとりとした優しそうな形をしている。  身長はナスカより少し高い170センチほど。  少し華奢に見えるが、冒険者というだけあって引き締まっているようだ。  濃いグリーンのローブを着て背には弓と矢を背負っている。  腰にも一本の短剣が装備されるようだ。
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