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広場のすぐ側にある食堂のおばちゃんに頼んで弁当を作ってもらう。
安くて味もいいから弁当はいつもここ。
でも王国行ったらしばらくは食えないよな。
「おばちゃん、今日は全員分大盛りで頼むよ」
「あいよー」とおばちゃんは弁当箱いっぱいに詰めてくれた。
宿を引き払って街を出る。
クエストに行く以外で街を出るのは初めてだな。
デンゼルからノーリス王国までは歩きで丸一日かかるらしい。
だいたい八時間として歩き通しで十八時には着ける予定だ。
距離にしておよそ40キロってところか。
一日中ただ歩くとかめんどくさいけど移動手段がないから仕方ないよな。
そこそこに交通があるからデンゼルから王国までは道が整えられている。
道から外れても短めの草が生えてるだけだしそこそこ見通しはいい。
遠くから魔獣が襲って来てもすぐにわかるから問題ないだろう。
「王国ってどんなとこだろうな。お前らは行った事はあるのか?」
「勇飛と出会う前は時々行ってたよ。私達に応援要請も来るしな」
「ふーん。今までそんなのなかったけど」
「よく僕達に応援要請してくれてたパーティーが怪我でしばらく休んでたからね。最近復帰して軽めのクエストから体を慣らしてるんだって」
「コカトリス討伐で毒にやられたらしいわ。致死性の毒だから解毒剤とヒーラーの解毒魔法でもしばらく治らなかったそうよ。勇飛なら…… なんとなく耐えれそうよね」
「どうだろう。毒なんて浴びたくねーしその前に倒す方法を考えるかな」
話しをしながら進んで行くと、右前方に魔獣が見えてきた。
カトブレパスみたいだけど運べないしな。
食肉としては高いけど魔石としてはあまり価値はないし、とりあえず放置しよ。
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