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昼食後は一休みせずにすぐに山を登る事にした。
まだ昼前だとしても山登ってすぐに出会すとは限らないしな。
山に入ってすぐにわかったけど血の匂いがかなりキツい。
やっぱ飯食って正解だったと言いたいとこだけど、逆にちょっと吐きそう。
でもな、こんな時便利なアイテムが雑貨屋に売ってたんだよ。
【防臭マスク】
マスクに臭いを遮断する呪文が書き込まれてるらしくて顔に着けると魔力で発動するって書いてある。
全員に渡して息を吸ってみるとあら不思議。
すげぇ! 本当に臭いが消えたわ。
「勇飛ったら気が効くじゃない! 昨日といい今日といいどうしたの? 私の気を引きたいの?」
「なっ!? そうなのか!?」
「何言ってんだエレナ。ナスカが真に受けるから変な事言うな」
「ん? あれ? って事は勇飛はナスカが好意を持ってるってわかってるんだよね?」
この血生臭い山の中で突然恋愛トークになったんだけど……
「さすがにわかるだろ。あからさまだし」
ナスカはこの状態で戦えんのか?
顔真っ赤にしてこっち見てんだけど。
「じゃあ付き合ったりしないの?」
「今はそういう気持ちにはならないな。オレ達はパーティーだし恋愛が絡めばいろいろとめんどくさい事も出てくる。仮に今のオレが付き合ったとして別れてみろ、パーティー解散なんて事もあり得る。それだけは絶対嫌だしな」
ナスカの気持ちもあるし真面目に答えてみた。
「なるほど。勇飛もちゃんと考えてるのね。脳みそまで筋肉かと思ってたのに」
「お前は一言余計だ」
「だってさ。勇飛も考えてるみたいだからナスカも元気出しなよ」
「えー、でも……」
うーん。
がっかりしたような、安心したような微妙な表情してんな。
もじもじしてるのも珍しいけどまぁいいか。
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