ゴールドランク冒険者とその後

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ゴールドランク冒険者とその後

 それからしばらくはデンゼルの街の復興作業をみんなで頑張った。  この世界での建築を始めて見たけど、やっぱ魔法ってすげーよな。  外壁なんかは石造りの家が多いんだけど、それは全て魔法で組み上げられるんだ。  石の隙間をなんか特殊な粘土を使って埋めるんだけど、それは地属性魔法で埋めてくんだ。  乾燥したらガチガチに固まるからコンクリートみたいなもんかな?  床や内装、家具なんかは木で作られるんだけどこれも魔法使ったりして作られる。  生木を切り出してきて火属性魔法と風属性魔法で強制乾燥。  切るのも風魔法で寸断するんだよ。  ミスリルの刃がついた幅広な工具使って綺麗に切るんだ。  なんか魔法の電動ノコギリ? みたいな感じだな。  ちょっと遅せーけどすげーなって思った。  ナスカやエレナ、カインは全魔法使えるから役に立ってたけど、オレは爆破魔法だけだしな。  作ったそばから破壊しちまうからずっと荷物運びだ。  まあこの鍛えた体は重いもん運ぶのに適してるっちゃ適してるんだけどね。  あとは一日の作業が終わったら全員の体力を回復してやるのもオレの仕事だ。  範囲の魔力でまとめて十人くらいまではいけるし一分もありゃ体力は戻る。  全員の回復もそんなに時間はかからねーんだ。  怪我した奴はオレが回復してもいいんだけど基本的には魔法医の仕事。  オレの回復は言い方次第じゃ闇医者みたいなもんだ。  ただ回復すりゃいいってもんじゃないしな。  オレ達が帰って来て三日目には王国からの使者が来て褒賞金が役所に届けられた。  めっちゃ所長に感謝されたけど、すでにクエストの報酬は役所から受け取ってるしな。  国からあの夜の戦いに褒賞があるとしたらこの街で受け取るべきだろ。  そのうちの一部は死んでいった冒険者達の家族の元に届けられた。  そんで称号【東の勇者】を形で表す物として首飾りも届けられていた。  これは慰霊碑に埋め込んでもらう事にした。
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