アマテラス現る

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アマテラス現る

 オレがアースガルドに来て三年くらいだな。  ゴールドランクパーティーとしてクイースト王国では知らない冒険者はいない程に有名になったオレ達。  ここデンゼルの冒険者はみんな強えからクエストもあまり無いし、役所にも暇つぶしと情報集めに来てるだけって事もよくある。  今日は簡単なクエストを終えて何となく情報を集めに来たんだけど、走って来たサーシャが興奮気味に捲し立てた。 「なんか王宮が魔族に襲撃されたって情報が流れてきましたよ! それを聖騎士長様と国王様、聖騎士様達と大魔導師様達に一人の冒険者が加わって、二十体もの魔族を倒したそうです!」  ん? なんか聞き慣れない言葉が混じってる。 「なぁサーシャ。魔族ってなんだ?」 「この国で確認されたのは初めての事ですが、人間よりも遥かに強い力を持つとされてるんです! 何百年も前の伝記には魔族の存在が記されてますが、数ヶ月前にザウス王国でも襲撃があったそうです!」  人間より遥かに強いか。  人間は魔獣を狩ってる側だからそれよりも強いって事だよな。 「ふーん。ちょっと戦ってみたかったなー」  アイスコーヒーを啜りながら暇つぶしになれば程度に考えてる。 「勇飛さんならそういうと思ってましたけどね! それとクイースト王国で発注されていた難易度10のクエストがですねぇ、たった四日で二つも達成されたそうなんです!」  おお! それはすげー! 「ほう。そのパーティー気になるな。会ってみたい」  やっぱナスカもそう思うよな。  強え奴ってのは気になるもんだ。 「ナスカはちょっと戦ってみたいんでしょ。最近は喧嘩売ってくる冒険者もいないしね」 「カインもエレナも会ってみたいだろう? 難易度10など私達でも余程準備をしないと挑まないクエストだぞ?」  難易度10クエスト……  どの魔獣もめちゃくちゃ強えからな。  オレ達四人掛かりで一体ずつ狩らねーと危険なレベルだ。 「そうよね。どれくらい強いか確かめてみたいわ」  クイースト王国行ったら会えんのかな?  今からじゃちょっと遅ーけど近々行ってみるか。  この日はいい情報をもらったなーくらいの気持ちで宿に帰った。
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