初パーティークエスト

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初パーティークエスト

 お金がない。  ミスリル武器を買ったので貧乏になってしまった。  昨夜からはナスカ達と同じ宿に泊まることにしたが、今夜の分の家賃さえない。  今日もクエスト頑張りますかー!  朝五時半。  宿の食堂に行くとナスカは既に起きていた。 「おはようナスカ。この世界の人はいつもこんなに早く起きるのか?」  以前問われた質問を返してみる。 「おはよう勇飛。今日はたまたま早く目が覚めたんだ」  ナスカの表情がいつもと違う気がする。  まだ眠いんじゃないのか? 「こんなに早く起きたって事は何かオレに話でもあるのか?」  何となくそんな気がしたので聞いてみる。 「う、うん。そ…… そのな、私が勇飛の後をつけていた件で…… 私を、き、嫌いになったか?」  またなんか涙目だな。 「別にそんな事で嫌わねーよ。オレの心配してくれたんだろ? むしろ感謝しなきゃいけないくらいだ」  なんかナスカは始めの頃の印象とはだいぶ変わったな。  凛々しい女性って感じだったのに、今は悩めるお年頃の女の子ってとこか? 「ナスカは今日は何したい? なにか希望はあるか?」  オレとしてはお金が無いのでクエストに行きたいが。 「今日は久しぶりにクエストに行きたい!」  久しぶりにとか言ってるあたりもうダメダメだ。  カインとエレナが起きたらクエストの相談する事にしよう。  コーヒーをもらってきてナスカに一つ渡す。  他愛もない話、主に地球での話をしながら時間を潰す。  話しているとナスカも楽しそうだ。さっきまで涙目だったはずだけどね。
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