“welcome to THE CLUB”

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『いらっしゃいませ青原様。お待ちしておりました』 イギリス紳士のようなドアマンが支える扉をゆっくりとした足取りでくくる青原様は、艶やかな京友禅の訪問着を嫌味なく着こなしているマダム。凛とした佇まいが今日も素敵だ。 「葉山さん、ちょうど良かったわ。あなたに見立ててもらいたかったの」 『新作も入荷しておりますし、実は青原様にお似合いになると思ってこっそりお取り置きしておいたとっておきの品もございます』 「もぉ、相変わらず上手ね。でもあなたのセンスって抜群だから気に入っちゃうのよね。見せていただくわ」 通常のフロアから数段上がった先にあるVIP専用ルーム。いつものようにそちらに案内をしようと声をかけた。 「今日はもう一人。彼に時計を見立ててあげて」 青原様は扉の方を振り返って穏やかに微笑んだ。 これまでに見たことのない女の顔をして。
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