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@ 宗正
「ねぇ、クルーズパーティーの招待客決まった？」
『うん、だいたいね。フライヤーもできたし明日にでも案内しちゃうつもり』
え？フライヤーできた？
「隆二さん撮影は？」
「…したよ」
「いつっ？！」
だって撮影日ってマカオから帰ってきてからだったじゃん。てか、予定より早く帰ってきてるけどさぁ。
どんなポーズだろ、気になるわ。
あ、久砂さんの見たのかな？なかなか挑発的だったからなぁ～…ヤキモチ妬き鬼が目に浮かぶ～！！
「…にやけてんなよ」
「いやいや、だってねぇ。茉莉花さん出来たの見せて～」
上質な厚紙を使ったハガキサイズのフライヤー。
シンプルに写真を引き立たせるデザインで格好いいけど…
「……これ、どうやって撮ったの？」
俺が気になるのはフライヤーに使われている写真じゃなくて、他の写真。
綺麗に整理されたフォルダの中に見つけた浴衣を着た俺たちの写真データ。
タブレットを操作して一枚一枚スクロールしていくと、隆二さんが現れた。
「隆二さんの顔……エロすぎなんだけど…」
色っぽいとかじゃなくて、エロいんだよ。
………見れば見るほどエロっ。
……もしかして、、、。
タブレットの画面いっぱいに表示させた写真を見せながら二人の顔を交互に見ると、みるみる顔を真っ赤に染める茉莉花さん。
「ちょ、ちょ、ちょ、何っ？！顔真っ赤！！え…そんなにやらしい撮り方？」
「……まんまだよ」
まんまって……やっば！！俺興奮しちゃうけど？！マジかよ隆二さん。
「俺が思ってる"まんま"で合ってる？」
否定も肯定もせず隆二さんは妖しく笑うだけ。その顔が"肯定"って言ってるけどね。
「これ、カメラ持ってるの茉莉花さんでしょ？」
茉莉花さん目線の隆二さん。つーかさ、だいぶ際どいショットが…浴衣のはだけ具合といい、たまに写ってる茉莉花さんの手とか…
「うわっっ！！……えっろ！！」
これ絶対ヤッてる最中でしょ！！
隆二さんが茉莉花さんを膝の上に乗っけてるやつとか、顎を上げた茉莉花さんの胸元に顔を寄せているやつとか、完全に隆二さんの自撮り。
狙ったような浴衣のはだけ具合でさすがに秘部は見えないけど、容易に想像できるソレ。
「動画！動画！動画ないんすかっ？！」
うわぁ～…完全に久砂さんに対抗したな。
「茉莉花さんっ！！俺ともう一回撮ろ！」
『嫌』
ちょっと、"嫌"って"ダメ"よりひどいからね？
てか、ハメ撮り……やば、マジで興奮してくんわ。
「動画…「…見せねぇよ」
あるんじゃんっ！！
「上映会…「…するわけないだろ」
「茉莉花さんの顔が…『もうっ！！二人ともうるさいっ！！』
最後はしっかりと怒られたけど、その声にひかれるようにやってやってきたのは久砂さん。
「あれ、隆二？」
「……お疲れ」
"帰ってたんだ"
俺しか気づかなかったと思うけど、そう動いた唇。
久砂さんも知らなかったんだな。
「茉莉花、おはよ」
『おはようございます。久砂さんは、二日酔いじゃないですね』
……面目無いね。
「なに、写真？」
俺が持ってたタブレットを取り上げ見始めた久砂さん。
え～…大丈夫？
ほら、顔が険しくなってるじゃんよー。
「隆二……」
「…なに？」
「い～写真なんじゃね？……さすがだわ」
「…久砂のおかげ」
穏やかなやりとりだけど、俺だけかな…
火花が散ってるように見えるのは。
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