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二。
それから、わたしはその巧みな話術で男を説き伏せて、この村を纏める村長さん家のところまで案内して貰った。
案内しながらも、男はわたしの方をちらっちらっと盗み見ていた。
あらやだ、そんなにわたしのことが気になるの?
という冗談はひとまず置いといて、まぁどうせ先ほどのわたしの話が気になって仕方がないのだろう。
当然だ、わたしがこの村には妖怪が取り憑いていると不安を煽ったのだから。
……いや、ごめんね。それ、ただの嘘なの。
「ここだ」
男は家の前に立ち止まり、声を発した。
ここが、村長さんのお宅。
家の大きさは他とそう変わらない。
正直、案内がなければそこが村長さんの家とはわたしには分からない。良く言えば、質素。悪く言えば、没個性な家だった。
いや、贅沢しないのは好感が持てるんだけどさ。
わたしは、村長さん家にお邪魔した。
「村長! お客さんだ、巫女だ!」
少々、大きな声を出して男は村長を呼んでくれた。
そこまで、大声を出さなくても良くない?
「そんな大声を出さんくても、ちゃんと聞こえとるわい!」
あ、やっぱり。でも、あんたの声もでかい。
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