春斗パート

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  「どうしたのって……とりあえずツイッターはミュートしてるよ」 『ミュートしたって、リプくれば通知は来るでしょ?』 「来るけど、スライドして消してる。通知欄も一括で開いて、あまりまじめに見てない」 『ほんと、瞳美ちゃん以外には冷たい男ねえ』 「俺はね、男女交際がしたくてネットにいるんじゃないの。あくまで朱里ちゃんのファンクラブ仲間と情報交換のため」 『そんなこと言って。瞳美ちゃんとはそのネットで知り合ったくせに』 「それは……まあ、うん。それはそれ、これはこれ」 『瞳美ちゃんは特別だもんね』  電波の向こうで、オダさんがニヤニヤと笑っているのが目に浮かぶ。  少々癪だが、瞳美とのおだやかな時間はこの人あってこそ。  俺は生まれてからずっと、オダさんに頭が上がらない。 『あーあ、早く瞳美ちゃん、高校卒業しないかなぁ。夜遊びとか早く教えたい』 .
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