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色々を、瞳美に黙っているのは、俺の小さな野望のため、だった。
決して数は多くないが、これまで人並みに女性とは付き合ってきた。
でもどんな人も、5年も10年もそれ以上も一緒にいられるかと考えたら、全然そんなことはなくて──。
俺の全身に雷が落ちたのは、あの引っ込み思案な美少女を見た瞬間だった。
ああ俺、この子と結婚するんだろうな、と。
ナチュラルにそう納得したなんてデリケートな話、誰彼かまわず言えるわけがない。
『なーに、まだ言ってないの!? あたしが瞳美ちゃんの歳の頃には、もう親にダンナ会わせてたわよ!』
「いつも思うがままの姉さんは、瞳美とは違うんだよ。瞳美のご両親は、絶対に娘に夢を見ているタイプだと思う」
『ぐうう……まあそりゃ、確かに』
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