春斗パート

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   瞳美がどこまで気付いているかは知らないが、同じように姉さんたちにふんわりと守られている。 “お姉さまがたのペットであるストックが瞳美の番犬”──こう見られるだけでどれほど悪い虫を追い払えるか。  そういう図式なら、女子高生にデレデレしやがって、なんて変な男に陰口をたたかれるのは俺だけで済むし。  こんな政治めいた大人社会のことなんて、まだ瞳美には知って欲しくない。 『まあねえ。ちょっと変態臭いけど、まじめだからいいか』 「変態はよけいだっての。俺、瞳美が若いから好きなんじゃないし」 『はいはい、わかってるって』  人当たりよく振る舞ってはいるが、基本他人に興味のない弟が初めて見せた執着を、姉は微笑ましく見てくれているらしい。  いつ瞳美にネタばらしをするか、というのは非常に悩ましいところではあるが。 .
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