54人が本棚に入れています
本棚に追加
゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚
「……寒い」
「どうしたの瞳美。今日はご機嫌ななめだね」
海浜公園で会った瞬間不愉快そうな顔を見せたのに、彼はいつもと同じ穏やかな声で笑ってくれる。
様子が違う私のこと、気づいてくれるのは嬉しいけど──だったら、その理由にも目を向けて欲しい。
「べつに」
「言ってくれないとわからないよ」
「……べつに」
「瞳美、もしかしてお腹すいてるの」
「……っ、違う! 子ども扱いしないで!」
今日、初めてまともに彼と目が合った。
「昨夜あれだけ楽しそうにしておいて、心当たりないって言うの」
「え? 昨夜って……俺、なにかした」
「とぼけないで、お姉さんたちと楽しそうに話してたじゃない」
この話をすると、ストックさんは困った顔をする。
だからなるべく言わないようにしていたけれど、今日はもう我慢できなかった。
「お姉さんって……ああ、オダさんたち?」
「……そうだよ」
.
最初のコメントを投稿しよう!