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その件以来、私は一人でライブに行き、一人であなたを応援しました。
仲間などいりませんでした。
だって、他人と語り合ったりしなくても、あなたの魅力は充分わかっています。
まだ恋が何かをわかっていないような、背伸びをしていただけの幼稚な頃から、
あなたを知っているんです。
あなたはインタビューの中でよく「運命」という言葉を使っていました。
月で想い人と恋に落ちたのも、地上に堕とされたのも運命。
一度、雑誌の恋愛相談のコーナーにゲストとして呼ばれていましたよね。
相談者が彼氏に浮気されたのも、彼氏が失踪したのも、運命だと答えていました。
あの時、思いました。
あなたは両親がいないという運命を受け入れ、
それを武器に自分のキャラクターを作り上げ、人を魅了している。
しかも十代の頃から。
なんて芯の強い女性だろう。
あなたと再会できたのが運命なら、私にはどんな使命があるのだろう。
そんなことを考えました。
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