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西暦1961年、人類として初めて宇宙に出たユーリ・ガガーリンはこう言いました。地球は青かった、と。
今、我々の目の前には荒廃した大地が広がっています。
46億年もの長い歳月をかけて地球が作り上げてきた美しい自然環境は、僅か3000年の間に変わり果ててしまいました。
かつて地表の7割を占めた海は干上がり、陸地の3分の1を占めた森は消失しました。青く澄んでいた空は灰色に濁り、恵みの雨は酸の雨に変わりました。強力な太陽の光も、地表まで十分に届くことはありません。作物は育つことなく、魚も獲れなくなりました。世界を賑わわせていた鳥たちは姿を消し、大地を駆ける獣たちも見られません。世界から生き物の気配は無くなり、風音だけが虚しく響いています。
人類とて例外ではありません。かつて100億を超えた人口は今や10億人にまで減りました。地上には過去の栄光の残滓がたたずむだけで、人々は薄暗い地下で暮らしています。劣悪な環境で疫病が蔓延し、多くの命を奪っています。
そして、こうした環境は、少なからず人類が作り出してしまったものでもあります。我々自身が青い地球を奪ってしまったということも、悲しいことにまた事実なのです。
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