死を願う少女

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そこには白衣を着た美青年が立っていた。 韓流ドラマで主人公を演じてそうなきれいな顔立ち。 その微笑みにうっとりする女性たちの視線が神藤を動揺させる。 「やあ、詩音(しおん)くん。悪かったね…忙しいのに」 神藤も立ち上がると、二人の視線の高さが合った。 「とんでもありません。他でもない神藤先生の頼みですから」 そう言いながら待合室を見回し、自販機を指差した。 「コーヒーでもどうですか?」 そう訊かれ、神藤は苦笑いを浮かべた。 「もうすぐ待ち人が来ると思うんだ。今は遠慮しておくよ」 「そうですか。じゃあ…待ち人が来るまで、お隣いいですか?」 神藤は周囲を見回し、また苦笑いを浮かべる。 「ここで君と二人になると、いたたまれないんだが……」 そうは言ってみたが、神藤は椅子に座り、その隣に置いてあったカバンを移動させ、足元に置いた。
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