死を願う少女

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「先生…あの……」 突然声を掛けられ、神藤は葉月に視線を向けた。 恐縮しているのか、目が泳いでいる。 「あの…まだ検査に時間が掛りますし、先生もご予定ありますよね?」 「いや…予定はないんだが」 そう言った後、彩羽が歩いて行った廊下を見て、何となくため息を吐いていた。 「キミたちは今日はバスで来たんだっけ?」 神藤が訊くと、葉月は頷く。 「帰りはどうするつもりだい?」 「バスで…帰ろうかと」 「キミは明日は仕事?」 「いえ。私がいなくても会社は回るので」 そう言われると、その言葉の意味が気になった。 「失礼だけど、キミの仕事は?」 「ネットで婦人服の販売をしてます。新品もリサイクル品も含めて。友人と共同経営なんです。最近はアンティーク雑貨なんかも販売し始めたんですけど」 倉庫まで持っている割と大きな会社だという事が分かり、神藤は納得した。
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