死を願う少女

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在庫の管理は全てコンピューターで行っており、注文が入ると倉庫から出荷される。 葉月の仕事は商品を仕入れてホームページに掲載するのが主な仕事なのだという。 海外に行って商品を仕入れてくることもあるらしい。 「時間に余裕があるなら、今日はうちに泊まっていったらどうかな?彩羽さんもかなり辛そうだし、うちで休んでから帰ってもいいんじゃないかな」 「いえ!そんな…そこまでご迷惑かけられません!」 葉月はぶんぶんと首を横に振って見せるが、神藤は諦めていなかった。 「私は…娘を亡くしたばかりでね。キミたちより少し年上かな。寂しいんだよ。一泊だけ…どうかな?」 逆にわがままを言っているな…と、神藤が笑うと、葉月も拒むことができなかった。 「そこまでおっしゃっていただけるなら…お邪魔してもいいですか?」 「もちろんだ」 微笑む神藤を見て、葉月も緊張を解いたように笑った。 「じゃあ…ちょっと電話してくるよ」 そう言って立ち上がった神藤だったが、携帯の画面を見て表情を変えた。
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