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彩羽はまだ検査室を行き来しているようで、待合室には葉月だけが座っている。
葉月の隣に腰掛けると、ふたりは彩羽が戻ってこない数分間、お互いの家庭環境などを話しながら時間を潰した。
姉の葉月と妹の彩羽の下にはもう一人男の子がいるらしく、フレンチレストランで修行中らしい。
姉妹は仲がいいが、彩羽だけ身体が弱いため、昔から出歩くのがあまり好きではなかったようだ。
旅行に行くことも嫌がり、仕事と自宅の往復ばかりで、友人と食事に行くのも3回に2回は断っていたらしい。
それでも友人は少なくはなかったという。
「中身は面白い子なんですよ。テレビ見ながらバカみたいに笑ったり、変顔したり、ふざけるのが好きな子なんで。
でも、体調が悪い時は横になったら全然起き上がれなくて、それでも周囲に気を遣って笑顔作って……。
だから誤解されるんですよ。 本当は体調が悪いなんて嘘じゃないかって。
痛む場所も毎回違ったりするから、たぶん周囲には誤解されてる。
私たちは…身近で見てるから、分かりますけどね。痛くて泣いてるときとか…可哀想だなって思うし」
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