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「どうですか…体調は」
五十嵐に訊かれ、神藤はふっと微笑む。
「どうかな…よく分からんよ」
なんとか返した言葉の後、二人は深いため息を吐き、心を落ち着かせるように空を見上げた。
「そう言えば…野本くんは？」
そう訊かれた五十嵐は、目を泳がせ始める。
何か隠そうとしているのだろうか…と、神藤は五十嵐の顔を覗き込んだ。
「いや…今はパートナーが変わって、野本さんとはほとんど一緒に行動しないので……」
「そんな事言ったって、同じ署内にいるんだろう？様子くらい分かるじゃないか」
「そう…ですね。まあ…傍から見れば相変わらず完璧です。ミスもしないし、表情も崩さない。その上、相変わらず敬語ですし」
しかし、そう言った後、五十嵐は頭を掻きながらため息を吐いた。
「でも、俺から見たら気持ち悪いです。なんていうか…感情を閉じ込めてるみたいで。
いつ壊れてもおかしくないように見えて。 でも…神藤先生が一番辛いですよね」
そう言われると神藤は返答に困った。
確かに辛い。
しかし、野本と比べるのは違う気がする。
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