君を殺す誰か・Ⅱ ～死を願う少女～

出会い

桜の花びらがひらひらと舞う中、一人の男性が一本の桜の木を見上げていた。

年のころは70歳をとうに超えているようだが、身長も高く、ガタイもいい。

スーツを纏い、姿勢も正しい彼は、しわは目立つが、そのしわさえも味わい深く感じるような顔立ちのせいもあり、年齢の割に若く見えた。

彼は桜の木を見上げながら、寂し気に目を細めた。