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とんだ早とちりで葉月を巻き込んでしまった事に、神藤はがっくりと肩を落とした。
少なからず想像はしていたつもりだったが、五十嵐はなんだかんだ理由を作って神藤に会いに来ただけなのかもしれない。
娘を失って間もない神藤を心配してくれていたのかもしれない……。
そう思うと笑えてきた。
はははっ…と、笑う神藤を見て、五十嵐が動揺して狼狽した。
「せ…先生?」
「いや…ははっ!いいんだ。悪かったね。私は余計なことをしたようだ。まあ、とにかく…また何かあったら訪ねて来てくれ。
ちなみに、今晩は葉月くんと葉月くんの妹さんをうちに泊めることにしたんだ。
キミも良かったら夕飯を食べに来るといい」
「え?っていうか…彼女はいったい何者ですか?」
五十嵐はまだ動揺しているようだ。
「葉月くんの妹さんが病気みたいでね。私はその付き添いだ」
そう言った後、神藤は五十嵐の肩をポンポンと叩いた。
「じゃあ、仕事頑張って」
そう言ったかと思うと、神藤は院内へと入って行った。
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