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「分かってるよ」
シドウに荷物を持たせて一緒に洞窟へ戻る。
なんでか分からないけれど、通学路を歩いているような、そんな気分になれた。
* * * * * *
──左の洞窟
シドウ「食べたら野球でもすっか」
ギンター「いいぞ。相手になってやる」
チカイ「そういえばそういう娯楽品も頼めばくれるんですかね」
サイセ「なら私は本が欲しいな?」
「野球でも読書でもいいが、とりあえずはご飯を食べて、洞窟から出るのが優先だな」
朝ごはんのカツサンドを食べる俺たちを、洞窟の入り口にいる青鬼がじっと見ている。
必要以上は洞窟内にいてはいけないというルールのせいで、夜以外はこういう時ですらゆっくりできない。
アスカ「そうね。青鬼から無言のプレッシャーを感じるわ」
1人消えたにも関わらず洞窟内の空気は今まで通りな気がする。
マイジの荷物はいつの間にか消えていた。おそらく青鬼が回収したのだろう。
それ以外にもいなくなって目で見て分かる変化はある。
だが、みんなその変化を口に出さないように気を使っているんだ。
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