27 車でバビブベブーン

4/5
前へ
/358ページ
次へ
 痴漢をして盗撮をして、盗難までして更に飲酒運転。そして人を殺して逃走だ。  自己紹介の時にどうして俺はマイジのことを、殺人をしない人間だと思ったのだろう。  あんなやつと一緒に笑っていたなんて思い出したくもない。  タマゴ《みんなしっかり聞いてくれたかな? 最低なゴミクズ野郎でしょ?   まさにマイジ()()()()だよね!   こんな奴がどう処刑されようがどうでも良いよね?   できる限り苦しんで死んで欲しいよね?》  俺は最初からあのおじさんに裏切られていたんだ。  ()()()()()()って、そういうことかよ。  呆れて何も言えない。  ギヨウさんを横目で見たが、彼女も俺と同じ気持ちらしい。  砂浜に両手をつくギヨウの背をサイセが片手でさすっていた。  船の上にいる人殺しの彼に向かって、彼女が吠えてエールを送ることはもうないだろう。       タマゴ《それじゃあマイジ号! はっしーん!》  誰にも止められることなく青鬼に連行されたマイジは、黄色の車に乗せられる。  先ほどまで酒を飲んでいた赤鬼がその運転席に座ると、黄色い車はどんどん加速していく     
/358ページ

最初のコメントを投稿しよう!

57人が本棚に入れています
本棚に追加