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痴漢をして盗撮をして、盗難までして更に飲酒運転。そして人を殺して逃走だ。
自己紹介の時にどうして俺はマイジのことを、殺人をしない人間だと思ったのだろう。
あんなやつと一緒に笑っていたなんて思い出したくもない。
タマゴ《みんなしっかり聞いてくれたかな? 最低なゴミクズ野郎でしょ?
まさにマイジヒロカスだよね!
こんな奴がどう処刑されようがどうでも良いよね?
できる限り苦しんで死んで欲しいよね?》
俺は最初からあのおじさんに裏切られていたんだ。
こういう人間って、そういうことかよ。
呆れて何も言えない。
ギヨウさんを横目で見たが、彼女も俺と同じ気持ちらしい。
砂浜に両手をつくギヨウの背をサイセが片手でさすっていた。
船の上にいる人殺しの彼に向かって、彼女が吠えてエールを送ることはもうないだろう。
タマゴ《それじゃあマイジ号! はっしーん!》
誰にも止められることなく青鬼に連行されたマイジは、黄色の車に乗せられる。
先ほどまで酒を飲んでいた赤鬼がその運転席に座ると、黄色い車はどんどん加速していく
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