27 車でバビブベブーン

5/5
前へ
/358ページ
次へ
 ビッグ烏骨鶏の甲板の上を車はぐるぐると回る。見ているこちらの目が回りそうな速度。  しばらくすると車はドリフトを始めた。タマゴと青鬼達はそれを見て両手をあげて大喜びだ。その時のタマゴはとても小学生らしかった。    タマゴ《ゴー! ゴー! ゴー!》  車はドリフトをやめると加速しながら船の周りを1週、2週と走り出す。  そして4周目が始まろうとした時突然──車は海に飛び込んだ。  黄色の車が海に突入し水しぶきが上がった直後──海中で大きな爆発音が轟いた。  海中から押し上げられた水は、車の部品と共に水の柱を作り、再び海へと消えた。  その後もモニターは海面を映し続けたが浮いてきたのは、車だった黄色い鉄くずだけ。  タマゴ《はー。面白かったー。最後も派手でいいね!  花火なんかもあげれば良かったな?。あ、ええと、これで第1回殺人コンテストは終了だよ。第2回のお題の発表は後日行うね! それじゃあみんなお元気で?!》     ──いつの間にかモニターが静まっていた。  そして砂浜にはそれぞれの荷物が入った箱がすでに落とされている。    ……ああ、そう言えばまだ、午前中だったんだな。
/358ページ

最初のコメントを投稿しよう!

57人が本棚に入れています
本棚に追加