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28 ザイキン集結!?
28.
マイジ博和が処刑されたあの光景は、まるでゲームや映画だった。
朝っぱらからこの世のものとは思えないものを見せられて、俺たちの心は憔悴し、砂浜からツエヘシの死体がいつの間にか消えていたことに誰も触れなかった。
マイジが処刑されたことだってもう話にはしない。
それぞれが自分の箱から荷物を持って洞窟へ戻ろうとしている。
漆「全員着替えて朝ごはんを食べたら、砂浜に来なさいよ!」
漆がまるで鼓舞するように、気を引き締めるように、突然そう大声を発した。
彼女はそれだけを言い放つと一番にこの砂浜を去った。
残された俺たちは、目で「また後で」と確認をし、自分がいた洞窟へと戻って行った。
シドウ「なーに深呼吸してんだよ。遅れるぞノリト」
「ビックリした?。なんだ、まだ居たのかよ」
海を見て風に吹かれながら深呼吸をしていたが、ゆっくりするには似合わない奴に見つかってしまった。
シドウ「お前がいない洞窟には戻りたくないんだよ。
なんか空気が気不味いっていうかさ」
「シドウも深呼吸したらどうだ。ここの空気は美味しいぞ」
シドウ「いや、気不味いってそういうんじゃ──」
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