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だからこそ彼はタマゴを誘い出す役に抜擢された。
そしてこの2日間、やつはモニターの中のタマゴと積極的に言葉を交わしていた。
だけどあのバカ、急に歌いやがって……なるべくいつも通りにしろって言ったのに。
タマゴ《それじゃあみんなお待ちかねの第2回!
殺人コンテストのお題を発表します!》
また誰かが誰かを惨殺して、見せ物として処刑されるあの最悪の出来事が始まろうとしている。けれどオムライス作戦のことに奴が触れなかったことで、俺は皮肉にも安堵の息をもらした。
シドウ「ちょ?! っと待ったー!!」
流れ始めたドラムコールをシドウの雄叫びが押しつぶす。
もともと声のデカいあいつだが、今のはどんな逃走犯でもその場で止まってしまいそうな音量。たまらずタマゴもドラムコールの再生を止めて反応する。
タマゴ《何かあった?》
シドウ「いや?。タマゴさんよ?。そろそろ船から降りて、この場で発表してくれても良いんじゃないかな?って思ってよ。その方がなんて言うか盛り上がると思うんだよ!
なあノリト?」
「は!? あ、ああ!そうだな。司会者が会場にいないのはなんか変だしな?」
こいつ今アドリブを入れてきやがった! 焦ったじゃねえかよふざけろ!
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