1 殺人犯12人集めてみた

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 この爽やか野郎は、教室でうるさい俺の苦手なタイプの人間かもしれない。  けれどこいつの見た目は嫌なやつではない。  「俺はさっき向こうの芝生の上で目が覚めたんだ。だけどこの島に来るまでの記憶がない。だからどうしてここにいるのか分からない。だって俺はさっきまで──」    スーツの女性「家で寝ていた──でしょ?ここにいる全員があなたと同じことを経験済みよ」  「なら、みなさんはどうしてこの浜辺に集まっているんですか? この島から出ようとしないんですか?」  俺はみなさんと言いながら、そのスーツを着た短髪の黒髪の女性に尋ねた。  スーツの女性「これよ」  そう言って彼女はスーツの胸ポケットから、黄色のメモ用紙を取り出した。  そんな彼女を見て他の人たちもそのメモ用紙を取り出す。  スーツの女性「多分あなたも持っているはずよ」  俺には胸ポケットがないので、ズボンのポケットに手を入れた。  まさかあるわけがないと思っていたのだが、紙のようなものが手に当たりゾッとする。  それが紙だと確信した時は呼吸が止まりかけた。  なんだか幽霊を見てしまったような気分だ。気味が悪い。  だがこれが例の黄色のメモ用紙だとは限らない。  も、もしかしたらレシートかもしれないだろ?       
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