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「……」
「?ルベ兄どうしたの?」
ルナがルベルがずっと黙っていることに気付き、声を掛ける。
「………クラヴィス、ルナが転送魔法で自室を魔界に送ったからそれの回収にも行くぞ」
「なぁ?!」
何を考えていたのか、結局わからないがルベルは冷静に、思いついたことを言ったようだった。
「部屋を…?ルナ……」
「うぅ、ち、違うよ!結局発動させたのはシュル兄だもん!!」
クラヴィスに怒られることを察知すると、直ぐにシュルトに擦り付け、シュルトには正論を言われてしまう。
「な?!あれは不可抗力でしょ!大体、一部屋を転送するってどういうことなの!」
「きょ、拠点だよ!」
「今思いついただろこのエセ魔法使い!」
「天才だし!!天才!」
シュルトとルナの様子をよく見ていたのはルベルやクラヴィスではなく、リューゲとトラオム。
「元気ですねぇ、あのお二人は。」
2人の様子を見ていたトラオムに、同じく様子を見ていたリューゲは声を掛けた。
「……うん、仲良しだよね」
「…混ざらないのですかぁ?」
「そんな顔してた?」
「ええ、まぁ」
彼はいつもこうだ。
「…もっと近かったら、混ざってたかも」
「トラオム様?」
「俺は、俺だけは兄ちゃん達と違うからさ。……あんまり、近くに行けないんだ。」
兄ちゃん達と違う自分が嫌いなんだ。そう言って体育座りをして、、両腕を強く握りながら顔を填めた。
「……違いなどないでしょう。貴方は吸血鬼の末弟、彼等は、貴方のお兄様達ですよ。」
「……………うん…」
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