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「ここが、第20国……そういえば、魔界は1つの国に名前が無いのですね」
「あぁ、まぁ区分しやすくて楽なんじゃないか。階級とかあるしな」
「ほとんど差別と等しいのですね」
「クソみたいな制度だなー」
3人は1つの国の壁の上にいた。
壁の上には警備がいたはずなのだが…既に後の祭り。3人にとってアリを潰すことよりも簡単な話だ。
さて、ここで魔界の国の説明を入れようか。この国は、国の数字が大きくなればなるほど階級は低く、帝都からの支援もほとんど無くなっていく。
それがここ、魔界の制度であり、この世界の治め方である。
「制度自体は差別を触発するようなものだが、これだけ広い土地を統一したってだけで凄いんじゃないか」
「ふん、そんなの形だけだよ。土地を統一したところで民の気持ちは1つも統一されないさ」
ルベルが無関心に魔界の話をすると、食いついたように批判を重ねるシュルト。
「…随分と否定的だな」
「別に〜?ボクはボクの意見を述べてるだけさ。それに、これから皆殺しにするって言うのにこの世界を褒めたって無意味だろう?」
シュルトは笑ってルベルを見つめた。何かを隠すように、何かを止めるように
「……それもそうだな。」
ルベルはそれを感じ取ったのか、これ以上深入りすることは無かった。
……それがあまり良くないことだとわかってはいたのだろうが…わざと、ルベルはやめたのだ。
そんな中クレーベルは一人、時間と他の兄妹達を気にしていた。
襲撃時間は他と同時刻、合わせなければいけないからだ。
「ではお兄様方、そろそろ襲撃開始時刻ですね。」
「ふふーん♪ルナの件もあってちょっとイライラしてるから、楽しませてくれる奴が来るのを楽しみにしてるよ♪」
「…この国の悪魔を全て殺して喰らってやる。いくぞ、お前ら」
3人はルベルの合図とともに、床から足を離し、一方的な殺戮を開始した。
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