第2章 魔界

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「…所詮59番目、クソ弱だな」 「おぉー、流石トト兄。えげつない」 「るせぇ。」 第59国、防壁上。 ここの担当はトート、ルナだった。 他の国と同じく、防壁の上には敵がいた。が、トートが1人で殲滅した。 「てゆうかなんで(あたし)とトト兄なんだろうね」 「さぁな、あの二人のことだ。なんかしら考えがあるんだろうが」 「そうなんですよねぇ、その旨は私も知らないのですよぉ」 ごく自然に、既にそこにいたかのような3人目の声。 「なんでいんだよ?!!」 「だってぇ、ルベル様に指示されましてぇ」 その声の主は簡単にわかる。リューゲだ。 「ルベ兄が?」 「はいぃ、何故私が戦場に投げられたのか謎で謎でぇ」 いつも通り、胡散臭いわざとらしい仕草で無知を証明しようとする。 ………うさんくせぇ… そこにいた2人の意見は一致する他なかった。 「まぁいいや…そろそろ襲撃開始だよね」 「ですねぇ、あぁそうそうトート様、私の事ちゃんと守ってくださいねぇ」 「………忘れてなければな」 「えぇ…」 「あ、じゃあこれ飲んでみる?外傷は全部弾かれるようになるんだけど」 「あっ大丈夫ですぅ、大人しく無空間にいますぅ」 危険を察知したリューゲはかなり申し訳なさそうな顔をして世界旅行(ヴェルト・ライゼ)を展開していた。 ルナの方はえぇ〜!と残念がっていた。 ……実験台がいなくなって、という意味で。 「ったく…いくぞ、ズレたらルベル達になんて言われるかわかんねぇんだから」 「おっけー! それでは第59国の皆々様!!この大天才の大実験、魔界の深淵、はたまた天界、どこに飛ぶかわからない殺戮実験!とくとご照覧あれ!!」
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